液状化防止! 丸太杭を打ち込んだ改良地盤調査

東日本大震災で千葉県などの湾岸地域が液状化の

被害を受けたことは記憶に新しいと思います。

 

液状化とは、水分を多く含む砂層など軟らかい地盤が

地震などの激しい揺れで液体のように動き出す現象で、

最悪上に立っている建造物が傾いたり、倒れたりする原因となります。

特に人工的な埋め立て地は液状化がおきやすいと言われています

 

この液状化を防止するため、これまでは、地中に砂を入れて固める工法が

一般的でしたが、近年、高知大学の原忠教授を中心としたグループが研究を重ね、

木材を地面に打ち込み、地盤を締め固める新技術(※)が開発されています。

※丸太打設液状化対策&カーボンストック法(LP-Lic工法)

 

県外では実用化も始まっているこの新技術、森林県・高知においても

導入を目指しており、5月に県内初の工事が施工されました。

相愛はこのプロジェクトに、地盤調査の分野で参画。

 実際に施工現場の地盤がどう変化したのか、施工前、後の調査を行います。

 

巨大な鉛筆のような丸太杭。直径15cm×長さが4m。2本つないで打ち込みます。

 

打ち込み時の様子。この敷地内に300本が打ち込まれました。

 

今回の取材は、打設工事施工後の各種調査。

当日は、間隙水圧計観測孔の設置、スウェーデン式サウンディング試験、

トリプルサンプラーによる不攪乱試料の採取が行われました。

 

この地面に長さ8mの杭が45㎝間隔で打ち込まれています。

 

手前の2人がスウェーデン、次が不攪乱試料採取、左奥が間隙水圧計観測孔の設置。

 

間隙水圧(地中の液体はすべて間隙水と表現されます)の観測は、

土中の水圧を調査するもの。今回は8mと5mの地点で2孔ずつ計測します。

 

間隙水圧計を設置する孔をボーリングする2人。

 

スウェーデン式サウンディング試験は、年始に当ブログ

「住宅地盤調査もお任せあれ」で詳しく取り上げていますが、

重りを付けたスクリューを地中に貫入し、土の固さや軟らかさ、

地面の締まり具合などを計る方法。今回は5か所を調査します。

 

スウェーデン式サウンディング試験に専心する2人。

 

そして、今回詳しくご紹介するのが不攪乱(乱さない)試料の採取。

今回、現場の土質は細かい砂層なので、試料の採取には細心の注意をはらい、

地中の状態のままサンプリングし、移送して土質試験にかける必要があります。

サンプリングした試料は三軸圧縮試験を行い、土の強度を調べます。

 

試料の採取に使うトリプルサンプラーのライナー。

この透明な筒に試料が入ります。

 

ライナーを慎重にトリプルサンプラーに挿入。

 

先端に掘削を行うビットを装着して、ボーリングマシンに装着、

地中に入れて行きます。この日は10m~10.9

11m~11.9m地点の2本の試料採取を行いました。

 

トリプルサンプラーはその名の通り、管が3重になったサンプラー。

一番外側の管が回転しながら地中を掘り進み、

その内側の固定された筒の中に装着した透明なライナーに

試料を取り込んでいく仕組みです。

 

取材当日はうだるような暑さ!

 

暑さにめげず、この道40年以上のベテランスタッフが荷重、回転数、

水量などを見ながら慎重に慎重に挿入していきます。

 

添えたこの手でボーリングマシンの振動を感知し、地中の掘削状況を判断します。

このような不攪乱試料の採取の場合、ひとつのサンプルを取るのに

かかる時間は大体1時間程度、その間、慎重に慎重を重ねた作業が続きます。

 

試料が入ってきました。手ごたえありの様です。

 

試料を乱さないように慎重に寝かします。

 

サンプリングしたての試料を慎重に観察します。

 

溶かしたロウを流し込んで試料が乱れないよう蓋をします。

固まったら反対側もロウで蓋をします。

 

こんな感じでロウで蓋をします。

 

ロウで固めた試料は、相愛土質試験室で脱水を行い冷凍保存。

その後高知大学の原忠教授の土質試験室に移送して

試料を切り出して三軸圧縮試験を行い、土自体の強度や液状化抵抗を求めます。

 

今回の試験結果としては、液状化抵抗が強くなっていることがわかり、

丸太杭工法が、液状化対策に有効な工法だということが実証されました。

 

間伐材の有効利用にもつながる丸太杭による液状化防止工法、

森林率84%の森林県・高知においては、さまざまなメリットが見込める

有効な工法のひとつと言えます。

相愛では、今回のような実証実験への参画を通して、

さまざまな新技術・新工法の開発に協力していきたいと考えています。

 

いろいろな試験が一度に見られる地質調査のデパートのような現場でした。

 

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