仁淀川低水流量観測業務

熱心な相愛ホームページおよびフェイスブック視聴者の皆様は

もうすでにご存じかと思われますが、相愛は平成25年度

仁淀川下流流量観測業務において、国土交通行政関係功労者事務所長

表彰・優秀貢献業務に選ばれました。

 

これも一重に、皆々様のご声援のおかげと社員一同張り切って

今年度も流量観測業務に励んでおります。

 

当ブログでは昨年、台風17号襲来時に行った仁淀川高水流量観測業務を

ご紹介させていただきましたが、今回ご紹介するのは、普段の穏やかな

川の流れを測定する低水流量観測業務。

 

たまたまこの時期インターンシップで来ていた2名の若者たちとともに、

張り切って行ってまいりました。

仁淀川橋のたもと、測定を行うラインにワイヤーを張る面々。

この日の仁淀川、凪いでおります。

 

ちなみに、去年の高水流観時の仁淀川。上の写真の地点は

すでに水没してます。おっかなかったです。

 

高水流観の時は浮子を投入して、2地点間を流れる早さから

流速を計測していましたが、低水の場合は、ボートに乗って

ダイレクトに流速計を投入して流速を測定します。

 

ボートがやってきました。

ワイヤーをつかみボートを固定する人間(前)、

スタッフで水深、流速計で流速を計る人間(中央)

周囲の安全確認を行い、測定結果を無線で伝える人間(後ろ)

の3名体制で、大河にこぎ出し測定を行います。

 

ここで少し解説を入れますと、

流量とは川を流れる水の量ですので、任意の地点の断面積を測り、

その地点の流れの速さを測定して計算し、割り出していきます。

流れは秒速で測るので、「その断面を1秒間に通過している水の量(㎥/s)」

という意味合いになります。

その任意の断面が、右岸から左岸まで川の流れに直角にひかれた

このワイヤーの地点になります。

 

仁淀川橋たもとのこの地点は川幅が約190mありますので、

川の深さは10mごと、流速は20mごとに測ります。

専門的にはそれぞれ水深測線、流速測線と呼ばれています。

 

まずは水位の確認。量水板を確認します。この日は1m28㎝でした。

 

水位というのは、水深とはまた違いまして、任意の基準点からの高さの事。

流量のもとになる水深や流速は365日計り続けることはできないので、

必要なときは、いつでも確認できる水位から流速を割り出します。

流量観測業務はその基礎データ作りのために行っています。

 

最終的にまとめられる流量曲線。縦軸が水位、横軸が流量。

その日の結果(流量)が一つのポイントとなります。この地点では

可能な限りひと月に3回の測定を行い、ポイントを加えていきます。

高水流観も含め加えたポイントをつないだ曲線が

水位から流量を割り出すための基礎データとなります。

 

いざ、本日第1本目の測定スタート!

 

10mごとにスタッフで水深を測り。

 

次の10mで水深と流速を測ります。

流速は、水深75㎝以下なら水面から60%の地点。それより深い場合は

水面から20%と80%の地点で測り、平均を出します。

 

狭いボート上での作業。機器の受け渡しもコンビネーション良く。

 

インターンの小笠君に測定を体験してもらいました。

「腕がプルプルしてきました」。

 

一見単純そうですが、川は流れていますので計器を持つ腕には

相応の負担がかかります。流速測定を正確に行うためには、

計器を流れに正対させ、川底に向かって直角の位置を

20秒以上保つ必要があります。

 

川幅190m以上ですから、水深測定20回+流速測定10回の計30回の

上げ下ろし。流れの速い地点では、さらにきつい作業になります。

 

おなじみ水文調査担当・藤岡。周囲の安全確認を行いつつ、

下の計器に表示された流速を隊長に無線連絡します。

年の功で、肉体的には楽なパート。

 

右岸側、告知の旗を立て、隊長他2名のスタッフが警備にあたります。

 

左岸側でも告知の旗を立て、2名のスタッフが警備にあたります。

 

相愛で流量観測業務を行う際に特に気を使っているのが安全対策。

川はみんなの共有スペースとして、川漁師の方から

レジャー利用の方まで幅広く活用されています。

 

本業務は川にワイヤーを張っての測定作業となるため、

上下の往来には十分な注意が必要となります。

 

この日も、上流で支度をしていた川漁師の方に声をかけ、

上下流のどちら方向に向かうのか確認を行いました。

もちろん、通行の妨げになる場合は、ワイヤーを下して安全確保。

人出の多い夏場は、細心の注意を払って安全警備にあたっています。

 

最後にゴミ拾いをして、第1の観測現場終了。

河川環境の美化、また自分たちのケガ防止等の目的で

定期的に清掃活動を行っています。

 

結局本日この地点での流量は96.60/sでした。1秒間に96トンの流れです。

ちなみに今年度の最高流量は、810日午前7時観測、

台風11号接近時の8500㎡/s。1秒間に8500トンですから、

ものすごい流れであったことが分かりますね。

みなさんも洪水時の川には決して近づかないよう、

ご注意よろしくお願いします。

 

さて、本日の第2計測現場は仁淀川大橋のたもと。

 

このラインの断面を流れる流量を測ります。

 

ここでも右岸、左岸ともに警備を2名配置。他船舶の往来等を監視します。

 

ワイヤーを引っ張りボートを移動する先頭・上野。

後ろの藤岡は船酔いではなく計器を確認中。

 

この場所は右岸側の川底が深いので、

スタッフを長くとる必要があります。

 

スタッフを長く伸ばして

 

流れを考慮して前方に投入。

 

ライン上で直角になるように操り測定。

岸からすぐなのに水深5m近くありました。

 

続いて流速を測定。繰り返しますが船酔いではありません。

 

測定後に川漁師さんが出漁されていました。

 

仁淀川本川2地点とも、8月初旬の台風による大雨増水の

影響から回復し、本来の仁淀ブルーを取り戻してきていました。

さすが水質日本一!(国土交通省全国1級河川水質ランキング

2010年、12年、13年)

 

流量観測業務は仁淀川本川2カ所、支川2カ所、用水路2カ所

を通年を通して観測しています。午後から向かったのは、

仁淀川大橋のすぐ近くを流れる波介川。

 

波介川・小野橋のたもとが測定地点。

 

流れの遅い(流速0.2/s以下)この地点では、

プロペラのついた回転式流速計で測定を行います。

ちなみに、さきほど本線で使っていたのは電磁式流速計です。

 

インターンの篠原君(手前)に測定を体験してもらいました。

 

回転式流速計の場合、結果が計器に表示される電磁式と違って、

測定時間内の回転数をカウントして測ります。

横のスタッフはストップウォッチを持ち、カウントを行う役割を担います。

 

全体図はこんな感じ、こちらでも両岸に警備を付け

安全対策には万全を期します。

 

インターンシップで来てくれた愛媛大学農学研究科

森林管理特別コース修士2年の篠原君(左)と、

高知工科大学3年、建築都市デザイン専攻の小笠君。

「簡単だと思っていたのですが、正確な測定を行うまで

何度もダメ出しされて大変でした。今日は割と穏やかな流れでしたが、

早い時はさぞ腕がつらいだろうなと思います。貴重な体験ができたので、

将来にいかしていきたいです。ありがとうございました」。

 

土木分野の技術者として将来を担うことが期待されるお2人、

いい経験になったでしょうか? 勉学などこれからも頑張ってください。

 

さて、いかがでしたでしょうか。本日の低水流観業務

ほぼ毎週のこの地道な作業が、仁淀川下流部の流量の基礎データとなり、

川の治水計画等に役立てられています。特に、大雨で増水した時や、

日照りの渇水時には、上流部にある大渡ダムの放流調整の基礎データとなり、

川の氾濫や農業用水の不足等を防ぐ役割を担っています。

 

相愛が仁淀川流域の流量観測に携わって20年超。

今年度も、低水、高水含めて正確に安全に業務を遂行してまいります。

 

水青き清流・仁淀川で会いましょう!

 

川でお見かけの際には、ご協力&ご声援よろしくお願いします。

 

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