0246 自然環境調査課でインターンシップを受け入れました
相愛では学生さんの希望に応じてインターンシップ生を受け入れております。
今回は、人間環境大学総合環境学部フィールド自然学科(愛媛県松山市)の1年生2名を自然環境調査課でお迎えしました。
以下に、その様子を簡単にご紹介します。
インターンの期間は2025年8月18日~21日の4日間でした。事前にインターン生や指導教官とインターン内容について相談を行い、前半の2日間は植物調査、後半の2日間は主に昆虫調査というスケジュールで実施しました。
弊社では、技術力の向上や地域への貢献を目的として、業務の合間を活用し、独自に地域の生物調査を行っています。
前半2日間は、こうした調査活動を兼ねて実施いたしました。
※1~2日目については、高知県内で生物調査をされている社外の協力者にもご同行いただき、インターン生にとって大変興味深く、有意義なお話を伺う機会となりました。ご協力、誠にありがとうございました。

↑協力者の皆様と調査を行う様子
●1日目:社寺林での植物調査
高知県仁淀川町内の神社で植物調査を実施しました。インターン生には、植物相調査、植物採集、標本作成(現地での仮押し)、同定作業を体験してもらいました。
※調査にあたっては、管理者様から特別に許可をいただき実施しています。

↑植物相調査の様子

↑採取した植物の同定を行うインターン生
とても素晴らしい環境で、同時に実施していた他の調査でも成果が得られました。当地での調査を許可いただいた本神社の管理者様や関係者の皆様に、厚く御礼申し上げます。
●2日目:ため池での植物調査
1日目は山地の植物を観察したため、2日目は湿地やその周辺の植物を見てもらいました。内容は1日目とほぼ同じですが、今回は水生植物の採集を行うため、胴長を着用しての調査も行いました。
※調査にあたっては、芸西村教育委員会様に許可をいただき実施しております。

↑水生植物調査の様子

↑水生植物の標本(仮押し)を作成中
同時に実施した昆虫調査でも希少種が複数確認され、実りの多い調査となりました。当ため池での調査を許可いただいた芸西村教育委員会様に、心より感謝申し上げます。
- 3日目:植物調査のデータ整理とビオトープでの昆虫調査(前半)
午前中は社内で、持参いただいたパソコンを使用し、前半2日間で収集した植物リスト作成等を体験してもらいました。
午後からは高知工科大学の研究フィールドに移動し、ビオトープに生息する昆虫類の調査業務に同行してもらいました。現地では、携帯型水質計による水質計測、タモ網を用いた水生昆虫の採集、ピットフォールトラップの設置のほか、自主的に実施している古民家内での屋内性昆虫類の調査(ボックス式ライトトラップの設置)も体験してもらいました。

↑ピットフォールトラップを設置している様子

↑古民家内での昆虫調査(ボックス式ライトトラップ)の様子
インターン生の同行をご快諾いただいた発注者様(高知工科大学:高木教授)に、深く感謝申し上げます。
- 4日目:ビオトープでの昆虫調査(後半)
午前中は、前日に仕掛けたトラップ類の回収を行いました。

↑回収したピットフォールトラップ(誘引剤無し。1個は獣害にあいました)
続いて、今年新たに造成されたビオトープを発注者様にご案内いただきました。インターン生にも温かくお声がけいただき、当フィールドでの活動や古民家の取り組みについて直接お話を伺うことができ、貴重な学びの機会となりました。

↑高木教授からお話を伺う様子
この後、会社に戻り、前日に採集した昆虫類やトラップ調査で得られた昆虫類をソーティングし、タトウを作成しました。

↑タトウ上げの様子
以上で、インターン内容の紹介は終わりです。
■インターン生の感想(要約)
Oさん
このたびはインターンで大変お世話になりました。
メモの取り方から葉の細かい見分け方まで丁寧に教えていただき、植物についてもっと深く知りたいという思いが一層強くなりました。
昆虫の集め方には様々な方法があることや、環境の違いで生物の種類や数が大きく変わることを知り、とても驚きました。
4日間本当にありがとうございました。とても楽しく、貴重な体験になりました。
Kさん
現場でのフローラ調査時の植物を同定するスピードや、屋内で見せてもらった標本の綺麗さに圧倒されました。
ピットフォールトラップに食器用洗剤を2~3㎝入れることが想像しにくかったですが、土が入らないよう工夫されていることにおどろきました。
初めてのことばかりで苦戦することも多かったですが、わかりやすい説明のおかげで楽しく学べました。
■おわりに
本インターンシップが、学生の皆さんにとって少しでも貴重な体験となっていれば幸いです。
今回担当した私たち自身も日々勉強を重ねている立場ですが、インターン生の皆さんの新鮮な視点に触れ、多くの気づきを得ることができました。
ご協力いただいた関係者の皆様に、改めて厚く御礼申し上げます。
(辻、大利)