0042 第3回四万十・足摺無限大チャレンジライド後編
早春の高知県西部幡多地域を自転車で駆け抜ける名物イベント・四万十・足摺無限大チャレンジライド。
前回は第1日目の足摺コース・オプションコースの模様をお伝えしました。
天気にも恵まれ、初心者~上級者まで楽しめるいい1日となりましたね~。
さてさて、今回はその翌日3月1日に行われた四万十コース(両日参加で無限大コース)の模様を、これまたじっくりとお伝えしてまいります。
2日目はスタート時間が早いので、スタッフの集合は朝5時。
スタート地点の四万十市防災センターは、真っ暗。小雨も降っていて寒いです。
出場者の皆さんが集まる前に、懐中電灯で名簿確認。
6時30分頃には、だいぶ明るくなってきました。出場者の方もぼちぼち到着。
本日まず特筆すべきは、NHK・BS1の人気自転車番組「チャリダー」の取材が入る事。
どーもくんが現れただけの昨日と違って、今日はタレントさんがみんなと一緒に実際にコースを走ります!
じゃん、おもむろにロケバスから現れたるは、ミュージシャン・俳優のうじきつよしさん、とモデルの朝比奈彩さん(後でアップで紹介します)。
朝一の立ちレポが始まりました!
全国放送「チャリダー」も気になりますが、本日の最重要懸案事項は「雨」。
朝一の段階では小降りでしたが、時間とともに徐々に雨足が強くなってきてるような…。
大会数日前から、この日は雨の予想が出てましたので、運営スタッフ一同および出場者有志の皆さんでお祈りを続けてまいりましたが、こればっかりはなんとも。影響の少ないことを再度祈りつつ、スタート地点に向かいます。
「四万十コースえいえいオー!」。ちょっと寒いが盛り上がってきた!
本日も元気よく、サイクルライフナビゲーターの絹代さんと一緒に柔軟体操スタート!
ほぐれてますか~。寒いと体がこわばりがちですから、よ~くストレッチしておいてくださいね~。
チャリダーのうじきさんと、朝比奈さんにもご挨拶いただきました。
「皆さん僕たちの周りをうろちょろして、一緒にテレビに映りましょう!」
みんな揃ったところでも1回「四万十コース頑張るぞー!」
第3回四万十・足摺無限大ライド2日目、元気よくスタート!
ちょっと寒いけど張り切って行ってみよ~!
四万十コースは四万十川下流域にあるここ四万十市をスタートして、黒潮町の海沿いを走り、四万十町に至る交通の難所・片坂を登り、四万十町から中流域部の四万十川と並走、ぐるっと回って四万十市まで帰ってくる全長142kmのロングコース。
距離は長いですが、海あり、山あり、最後に四万十川ありの、のどかな景観が楽しめるとっても魅力的なコースです。
さあ、昨日同様みんなの笑顔を撮りに行きましょう!
四万十大橋にて。チャレンジライド御一行様やってまいりました。
四万十川の雄大な景色を眺めながら、颯爽と風を切ります。
先頭は雑誌「サイクルスポーツ」の栗山さん。この時点ではまだ元気一杯!
最後の清流・四万十川下流域。この川の中流域まで回り込んで行きますよ~。
続いて第2撮影ポイントは、黒潮町入野海岸。中継車実況願います!
はい、こちら西南大規模公園・入野海岸です。さきほどからぞくぞくと出場者の皆様が通過していきます。
今、チャリダーのうじきさん、朝比奈さんが私の目の前を通り過ぎようとしているところです。
え~、ちょっと気になるのですが、ここ黒潮町に入る手前の四万十市下田のあたりでですね、非常に大粒の激しい雨が降っていました。
私もちょっと車を止めて撮影、とはいかないくらいのですね、非常に激しい雨でした。
出場者の皆さん、あれに叩かれているわけですから今後の体力の消耗が非常に気になるところですね~。中継続けます。
皆さん、濡れ鼠のようになっております。表情もこわばってますね~。
大雨の後の踏ん張りどころでしょうか。真剣な表情です。
足取りはまだまだ軽やかですね~。頑張って!
みんなを元気にするため頑張る、給水所「道の駅ビオスおおがた」の3人娘。
「スポーツドリンクじゃんじゃん飲んでいって~、寒いけど~」。
「お写真お撮りしますよ~、雨だけど~」。
新潟からおいでの広瀬さん。
「昨年に引き続き2回目の参加です。昨日の足摺は天気が良くて最高でしたが、今日は残念ですね。でも、自然相手のスポーツですからしかたがない。
去年は四万十コースでパンクして、リタイアバスに乗せられて帰ってきました。今年は、自分の足でぐるっと周ってきたいですね」。
さて、コースはここから太平洋を右側に眺める海岸沿いの道へ。
雨も断続的に降り続きなかなか厳しい状況になってきました。
お、あれは前回紹介した岡山県立大のみんなだ。ファイトー!
こんな状況の中ナイススマイル! プリティーグッド!
なんだか今日は、太平洋が日本海のように見えます。
そんなこんなでたどり着いたのが、本日最初のエイドステーション
「道の駅なぶら」。土佐佐賀町に一昨年出来た地域自慢のスポットです。
ここではおにぎりとみかんが振舞われました。
道の駅なぶら。「なぶら」とは、イワシなど小魚の群れが水面を波打たせている様の事。その下には小魚を追い詰めたカツオの群れ等がいることから、漁師はなぶらを追い求めます。さすが、ここ黒潮町佐賀はカツオ漁水揚げ日本一の町!
大阪からいらした北村さんと武田さん。
「自転車仲間です。びわ湖とこの大会は必ず来るようにしています。毎年来てる理由? そうですね。四万十のお酒と、うまい肴! これを楽しみにしています。夜のおいしい1杯のために、頑張って走りますよ!」。
南国市からおこしの飯田さん親子。
「昔から父がロードレースに出ているのを見ていて、いつかは一緒に走りたいと思っていました。実は自転車始めたの1ヶ月前なんですけど…。今日は雨が降って大変ですけど頑張りたいと思います」。
雨に濡れて皆さんしんどいと思いますが、気合は十分!ファイト満タンでエイドステーションを後にしていきます。
さて向かうは国道56号線の交通の難所・片坂。ファイトーいっぱーつ!
はい、こちら片坂。みなさんぞくぞくとこの坂に取り付かれています。
さすがに厳しそうな表情だ~。
厳しい表情の中、ひとこぎひとこぎ粘り強い闘いが続きます。
黙々と試練に立ち向かう殉教者の面持ち。
脳裏に去来するは、幼少の頃過ごした懐かしき故郷か、普段口にできぬ家族への感謝の思いか、はたまた、えらいものに参加してしまったという後悔の念か…。
うわ、このお兄さんも苦しそうだ。頑張れ~!!
これは確か前回紹介したニコニコキッチン定家さん。
さすがにつらそうだ。ファイト!
さすが若者。まだまだ元気!
岡山県立大もなんとかピース! 頑張れえええ!
こちらのお兄さんは、苦しいんだか楽しいんだか微妙な表情。ガンバ!
お、おとうさん余裕っすね。さすが熟練者のテクニック!?
これはさっきの大阪の北村さん。四万十の夜を満喫するためにもファイトー!!
皆それぞれの思いを胸に坂に取り付き、登って行きます。
何人かの方はカメラに笑顔で応えてくれましたが、坂はまだまだ続きます。
まるで人生がそうあるかのごとく…。って、難しい話をしていてもお腹がすくだけなので、先を急ぎましょう。
四万十川を左に眺めるコースに入ってきました。
この辺から雨も若干小ぶりに、いい感じ~。
うじきさんと朝比奈さんも元気よく通過~。
片坂で苦しそうだったお兄さん復活!
車の往来も少なく、スムーズな走り。
いい感じになってきました~。
絹代さんもナイススマイルで通過!
次のエイドステーション「道の駅四万十大正」はもうすぐです。
はい、こちらエイドステーション「道の駅四万十大正」から実況中継です。
ご覧のようにまた雨が激しくなってきました。
皆さん「やまない雨はない」と信じて走っていると思われますが、「そんなこと知ってるから早くやんでくれ!」という気持ちではないかと思います。
さきほどのなぶらとは違って、かなり疲労されている方が多く見受けられます。
エイドステーションのあったかメニューで、ぜひとも元気を取り戻してもらいたいですね~。
四万十大正エイドステーションのメニュー。まずは、メロンパン!
甘くておいし~い!
豚汁! ほっかほか~。
鳥取よりご参加のお二人。
「職場の自転車仲間です。今日はチームで参加しました。雨の日は普段走らないから、かえって面白みがあります。終わった後の温泉に期待大です。
ウチのチームはフォーメーションを決めて走っているので、まだ余裕がありますよ。え、どんなフォーメーションか? 若いのに先頭走ってもらってます(笑)」。
愛媛からいらした重兼さん。
「メロンパンうまいっす。え、どうしてこんな中走り続けるのか?
う~ん、そうですね。今回無限大オプションコースにエントリーしたので、昨日も完走しましたし、今日も完走して、やり遂げたいって感じですね。頑張ります!」。
四万十の雄大な自然の中を駆け抜けます。
景色の良い撮影ポイントを見つけました。これでもうちょっと晴れてくれたらな~。
前方に少しずつ晴れ間も見えてきて、心持ち足取りも軽快に。
少しずつ晴れてきた~。オッケイ~。
激写するサイクルスポーツの栗山さん。
本日、自ら出場し、コースを走りながら写真を撮り取材を行うという荒行に挑まれておりましが、さすがにこの雨は痛かった。
残念ながらさきほどの道の駅四万十大正でリタイアされ、一緒に車で取材に周ることになりました。
「そんなに簡単に完走できるとは思ってませんでしたが、ここまで厳しい状況になるとは…。人家も少なく、なんか寂しくなって心が折れてしまいました」。by栗山さん。
ちなみに、チャリダーで参加したうじきさん、朝比奈さんもさきほどの道の駅大正で残念ながらリタイアとなってしまいました。
まあでも、ここまで走っただけでもすごいと思います。
気を取り直して、次のエイドステーション「宮地公設駐車場」に向かいましょう。
本日最後のエイドステーション「宮地公設駐車場」。
旧西土佐村の皆さんがもてなしてくれました。
まずは、しし汁。そう猪のお肉です。このあたりで捕れたものを振舞っていただきました。精力がつきそう~。
(撮影のため、わざと汁を少なく盛ってます)。
おにぎり。地元のばあちゃんが漬けた梅干がまたうまい!
高知名物・ぼうしパン! 地元のパン屋さんが作ってくれました。
高松からおこしの中村さん。
「夫婦で参加してます。妻はまだ後ろの方かな~。制限時間に間に合えばいいんですけど。にしてもこのしし汁、うまいっすね~」。
おにぎり、パンのダブル炭水化物にあったかいしし汁。
そしてデザートにみかん、と盛りだくさんの内容。一同息を吹き返しました。
それでは引き続き本コース一番の撮影ポイント・岩間沈下橋に向かいましょう。
なにやら楽しそうに橋を渡ってくる皆様。まだまだ余裕です。
このポイントは道幅が狭く、安全面に配慮して徒歩での通過とさせていただいております。
雨も上がり、皆さんにこやかに橋を渡っていきます。
道の駅大正でお話を聞いた鳥取チームの皆様ものんびり通過。
ここはほんとうに景色がいいですね。
アグレッシブなフォトセッションを行われている方も。
お疲れさま~。後約30km、ファイトー!
ラストまで頑張って~! 楽しんでいこ~!
ちなみにこのポイント、水面が近いこともあってかものすごい寒さでした。みなさん全身ずぶ濡れですから、体温の低下が気になります。
さらに、車に乗り込み一路フィニッシュ地点を目指す道中、四万十市に近づくにつれ暴風が吹き荒れ始めました。
しかも前方から。さらに、フィニッシュ手前の四万十川を渡る橋の上では、車をもゆさぶるものすごい風に…。ああ、雨は上がったというのに
なんという責め苦。果たして皆無事に帰ってこれるのか!!
はい、こちらフィニッシュ地点。今松山の大野さんがゴールするところです。
このあたり、だいぶ前から雨は上がっていたのですが、午後から強烈な暴風が吹き荒れていまして。出場者の皆さん最後の最後まで死闘を繰り広げられています。
皆、あらゆる試練に耐え抜いて、今フィニッシュ!
お疲れさま~!
頑張って走り抜いた! いい笑顔!
ナイススマイル!
最後の直線でレースを始める鳥取チームのお二人。
いいお風呂が楽しめそうですね~。
大阪からいらした倉内さんご夫妻。旦那さん頑張りました。
見事完走! 道中大変だったんですよ~。
富山からいらした坂田さん。見事に完走!
若者チームも元気よく完走!
高松から中村さんご夫婦。頑張って走り抜きました。
先に着いた旦那さん、ゴールで心配そうに見守ってましたよ。
岡山県立大&昨晩同じ宿に泊まったおとうさん。見事に完走!
チームワークで走り抜きました!
高知市の公文さん。完走おめでとうございます!
「もう大変でしたけど、とにかく行けるところまで行こうと思って走ってたら完走できました。ヤッター!」。
皆が健闘をたたえ合う中、最後の方が帰って来ました。
「おおお~い! あと少し~! 頑張ってえええ~!」。
高知市の北村さん。見事完走!
「4年前に自転車を始めました。この大会は友達に誘われて出場しました。無限大コースです。昨日は良かったのに、今日はまあ、こんな大変な日になるとは思ってみませんでした。でも自分からやめるのは嫌なので走り続けました。完走できて嬉しいです」。
絹代さんも見事完走! お話を聞いてみました。
-今日の四万十コース走ってみていかがでしたか?
絹代:すごく辛かったです。いろんな試練が次々と襲ってきました。
まず序盤の雨、途中から痛いくらい激しくなって、体力がどんどん奪われていきました。
片坂はそれほど急ではないけれど、皆さんあそこが辛そうでした。それまでの雨でよほど体力を消耗していたんだと思います。
風もすごかったですね。体が濡れていたから体温もどんどん奪われて、前には進まないし、何度もくじけそうになりました。
ホント、一難去ってまた一難。歯を食いしばらなければならない場面が、何度も何度もありました。
-それでもくじけなかった。
絹代:寒い中、ずっと立ちっぱなしで支えてくれている誘導の皆さんの笑顔に励まされました。あと、エイドステーションの料理がめっちゃおいしかった。
ボランティアのみなさんの応援にもずいぶん励まされました。
-昨日と違って、とてもハードでしたが、皆さんどうして頑張れるのでしょう?
絹代:それは、今日出場することを決めて、自転車にまたがったからでしょう。
エントリー200名の内、当日キャンセルされた方が80名程いたと聞いています。
明日からの仕事や家庭がありますので、それは仕方がない事。
逆に言うと、今日出場された方は、そういうリスクを負ってでもこのコースを走りぬこうと決められた方です。制限時間がきて足切りされることはやむを得ないとしても、アクシデントがない限り完走をめざされるはずです。
それにしても、今日完走された方はものすごい達成感が味わえたんじゃないかな。
今日このコースを完走したということは、自信につながりますし、皆さんステージがひとつふたつ上がったんじゃないかな。
いい思い出になりますね。
-大会全体についてご感想を。
絹代:2月のこの早い時期に2日で277kmも走れる大会は他にはありません。
南国高知ならではですね。しかも、これだけ走りごたえがあるのに、景色は最高、山あり、川あり、海あり、走っていて飽きのこない、いいコースです。
第3回目の今回も、初日は心地よい走りで風景を楽しんで、2日目には自分の限界に挑戦できて、充実したいい大会でした!
●
さてさて、駆け足でご紹介してまいりました第3回無限大チャレンジライド2日間の様子、いかがでしたでしょうか?
取材していて途中から、これは「苦しさ無限大! だ!」と唸ってしまいましたがが、帰ってこられた皆さんは皆、満天の笑顔。
ファンライドの楽しさと、達成感の両方が味わえる、貴重ないい大会になったんじゃないかなと思います。
皆さんもぜひ、来年いかがですか?
いろんなことひっくるめて、やっぱり「楽しさ無限大!」ですよ!
南国市の飯田さん親子
「自転車歴1ヶ月で今日の天気は厳しかったです。残念ながら途中リタイアになっちゃいました。父に鍛えてもらって、これにこりずにまた来年出たいと思います!」。
ナイスファイ!皆様、お疲れ様でした。