0233 木質ペレット燃料事業におけるIoT導入事例を発表しました
2024年3月6日、高知県中小企業団体中央会主催の「ものづくり企業IoT事例セミナー」において、木質ペレット燃料事業におけるIoT導入事例を発表いたしました。
木質ペレット燃料事業では、2019年よりIoT技術を活用しており、以前の記事にて詳細をご紹介しております。
上記の記事以降、毎年最新情報をアップデートしています。
本記事では、セミナーで使用した発表スライドを基に、2025年時点でのIoT活用事例をご紹介いたします。
木質ペレット燃料事業の概要
当社は、豊富な森林資源を燃料として活用できる木質ペレットヒーティングシステム「木燃(MOK-NEN)」を開発・販売しています。
まずは、スライドを用いて事業の概要について簡単にご説明いたします。
現場が抱える2つの課題
木質ペレット燃料の配給および設備の維持管理を行う中で、現場では以下の2つの課題を抱えていました。
これらの課題解決するため、下記2つの物理量をIoT化する取り組みを行いました。
構築したIoTシステム
下記スライドは、自社開発によるIoTシステムの構成です。
木質ペレットタンク上部にIoTデバイスを設置し、ToFレーザー距離センサーでタンク内の距離を計測することで、木質ペレット燃料の残量を把握しています。また、設備異常信号に連動したリレーにより設備状態も計測しています。
計測データは、SigfoxまたはLTE-M回線を介してクラウド(SORACOM)へ送信されます。
2019年当初は、SORACOMのサービスを用い、得られたデータの可視化のみを行っていました。
その後クラウド側も徐々にアップデートを重ね、記事執筆時点では、SORACOMに加えAWSを活用し、以下の場合にLINE通知が届くように改良しています。
・設備異常時
・設備復帰時
・一定期間通信が途絶えた場合
さらに、これらの通知は当社だけでなく、お客様のLINEにも送信され、連携を図りながら迅速な対応を実現しています。
なお、2025年3月31日をもってLINE Notifyのサービスが終了するため、2025年3月よりLINE Messaging APIを用いた通知システムへ切り替えています。
IoT導入の効果
IoTシステムの導入により、下記の通り2つの課題が解決されました。
また、自社開発であることから、柔軟な改良を継続的に実施できていると感じています。
まとめ
IoTは人手に頼らずデータを集め、現場を動かす技術であり、現場との相性が非常に高いと実感しています。
使いやすいIoTデバイスや生成AIの登場で、IoTシステム構築のハードルはますます下がってきているとも感じています。
引き続き、他の現場の課題に対し、IoT等の技術を活用し、課題解決に取り組んでまいります。
(記:須佐美俊和)
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