0014 老朽化長大法面の健全性を診断!
美しいフォルムの鉄骨群。
階段もついています。
何かを乗せる足場もついています。
これは一体何でしょう?
下から仰いだ全景。山の上まで続いています。
横から見た全景。山の法面にへばりつくように足場が山頂まで伸びています。
そうこれは、ボーリング調査現場の足場。
高知県内最長レベルの足場を組んだと聞いて行ってきました。
この急傾斜の長大法面が建設されたのは、30数年前の高度経済成長期。
最近になって、モルタルの割れ目が発見されたり、はがれた一部が道路に落ちているのが発見されたりし、相愛で調査・解析を行うことになりました。
山に押されてモルタルが浮き上がっています。
中央部10cm程度割れて押し出されています。
割れています。
割れています。
問題はこの法面の下、山の岩盤で何が起きているのかということ。
モルタルの下、岩盤の中を調査するわけですからボーリングマシンを使っての地質調査が必要となるのです。
高さもあり、横にも長い大きな法面なので、調査個所も複数。今回は6本のボーリング調査を行いました。
手前の長い足場の下から第4、第5、第6、右側の緑のネットが第3のボーリング現場。
第1、2は画面の奥にあり、写っておりません。
なんといっても圧巻なのが、第4、5、6の足場、この壁面に這うように伸びている鉄骨(短管パイプと呼びます)は、布をまとわせているように見えることから布足場と呼ばれています。
その長さはなんと57.7m。
これだけの長さが組まれたのは県内では初めてではないでしょうか。
アップで第5足場。
続いて第6足場。
もう一度全体図。もうボーリング調査は終了しており、一部足場の撤去も始まっていたので登れません。
この日は、前日に作業を終えた第3ボーリング孔の検測が行われました。
第3のボーリング現場。
ここを掘っています。
ここはここで結構な高さがあります。
県の担当者立ち合いのもと、解析に必要な地層深度まで掘れているか検測を行います。メジャーの左側の棒がボーリングロッド。
その下のやや太いパイプがケーシングパイプですね。
前回のブログ「地質を探るボーリング調査」で仕組みをご確認ください。
コアサンプルを見て、岩盤の風化や亀裂の程度を確認します。
午後からは第3の現場の撤去作業。
片側通行規制を敷き、レッカーで釣り上げておろします。
ボーリングマシンも軽々と釣り上げます。
ここで気になるのが、一番高い第6はどうやってマシンを上げて下したのか? ということ。
その答えがコレ。
山のふもとに設置されたウインチから延びるワイヤー
山のてっぺんに向けて張られています。
終点は山頂の木、何本かに巻いてがっちりと固定されています。
索道と呼ばれるワイヤー、既設法面にこれだけの長さを張り機材の搬入に使ったのも県内では初めてではないかと言われています。
作業中に撮影された第6の現場。機材の搬入搬出が大変でした。
山を切り出して道路を建設している箇所に多く見られるこのような吹付法面。
特に作られてから30年以上たつものについては、その老朽化が問題となっています。
もともと山の多い高知県では、幹線道路は海沿いか、山を縫うようにして建設されたものがほとんど。
南海大地震による津波の影響で海沿いの道が不通となる可能性が高く、残る山の道は緊急避難路として非常な重要な意味を持ちます。
長年培ってきた地質調査の経験・知識・技術で、相愛は高知県のライフラインの確保に尽力していきます。
老朽化法面の健全性調査、どうぞ相愛にご依頼ください。
おまけで絶景!