0133 続・プチ自作IoT!

2021.09.01

カテゴリー: 活動報告

5月からの長い梅雨が終わり、8月は毎日暑い日が続いていましたが、再び連日の雨。梅雨にタイムスリップしたのか、来年の梅雨にタイムリープしたのか、毎年何かしら起こるよくわからない天気の変化は地球温暖化の影響なのでしょうかね。

このよくわからない天気の変化に木質バイオマス事業課の業務も左右されやすく、今年の4、5月は例年と違ってなかなか気温が上がりませんでした。なので、施設園芸で加温栽培をされているお客様の木質ペレット(燃料)の残量を、木質ペレット残量検知システム(※1)でいつもより長く見守ることになりました。
(※1)0105 高知発「IoT 木質ペレット残量検知システム」!県内約70 箇所で実運用中

0105 高知発「IoT木質ペレット残量検知システム」!県内約70箇所で実運用中

 

厳冬期に比べると4、5 月の木質ペレットの減りはもちろん少ないのですが、「〇〇頃にボイラー止めるよ~」と仰っていたお客様の木質ペレットがその頃になっても減り続けていたので、「ちょっと待って、まだボイラー動きゆうね?週間予報で最低気温上がってないきまだ使うね?これペレット切れるね?」とPC 画面を見ながら漏れる独り言。お客様に連絡をすると「まだ気温が低いき使うわ~」ということで配給の手配をし、事なきを得ました。
これがもし、木質ペレット残量検知システムがなかったらと思うとゾッとします…!木質ペレットの残量が可視化できるだけでこんなにも心が軽くなるなんてね、もう羽が生えたように軽いです。一昨年までは配給やメンテナンスの合間に現地で直接残量を確認してたんですよ、ほんまようやってたなぁと思いますわ。
と言うのも、実は、過去に何度かペレットを切らしてしまったことがありまして。そのときの心情たるや、もう市中引き回しの上、磔獄門ですよ。
「厳冬期じゃないから大丈夫(^_-)-☆」と仰ってくださったお客様もいらっしゃいますが、燃料切れや機器の異常で加温ができなくなるのはダメ、絶対。マジで。本当に。
今はデスクに居ながら見守ることができるので、あってよかったIoT、やってよかった木質ペレット残量検知システム、です。

 

さて、前置きが随分長くなりましたが、早いところでは9 月末からボイラーの運転が始まります。それに合わせて、木質ペレットボイラーの始動前メンテナンスと木質ペレットの配給も順次行なっていきます。お客様の中には、メンテナンスのみ当課が担当しているところがありますので、そういったお客様には異常検知(※2)に特化したツールの導入に向けて準備をしています。
(※2)0107 「IoT 異常検知」。木質ペレットヒーティングシステムの設備異常にいち早く対応!

0107 「IoT異常検知」。木質ペレットヒーティングシステムの設備異常にいち早く対応!

 

既に、木質ペレット残量・異常検知システムでSORACOM(ソラコム)の製品・サービスを利用しているので、SORACOM の既製品であるSORACOM LTE-M Button Plus(https://soracom.jp/store/5207/)という自分だけのIoT ボタンを作れるデバイスを使用して、異常検知に特化したツールを試作することにしました。

このSORACOM LTE-M Button Plus はデバイス通信機能を備えた小型通信機器で、前回自作したタンクの蓋についている木質ペレット残量検知システムの通信機と同じ機能を持っています。

仕組みとしては、SORACOM LTE-M Button Plus の配線を異常ランプ用のリレーと接続し、ボイラーに異常が出たらSORACOM LTE-M Button Plus からソラコムに通信されるという至ってシンプルな仕組みです。

 

では早速、自作IoT ボタンを作っていきましょう☆
~ 用意するもの ~
SORACOM LTE-M Button Plus/ケース(蓋付き)/ギボシ端子/コーキング/ドライバー

 

~ 作り方 ~
1.ドライバーでケースに配線用の穴を開けます。(※写真は2 ヶ所開いてますが本来は1ヶ所です)

2. SORACOM LTE-M Button Plus から外した配線をケースの穴から遠し、ギボシ端子を付けます。

3. コネクターをSORACOM LTE-M Button Plus に差し込みます。

4.配線用の穴をコーキングで塞ぎます。

5.完成!

SORACOM LTE-M Button Plus 本体に防水機能がないので、実際に使用する際は中にシリカゲルを入れて蓋をします。

 

そして、制御盤側で使用する配線も作りました。

組み合わせるとこんな感じ。

当課では、異常検知のツールとしてSORACOM LTE-M Button Plus を使用しましたが、防犯を含めた扉の監視や、冷蔵庫の開閉で高齢者の見守り、害獣駆除の箱罠の扉が降りたらメールやLINE でお知らせ等、幅広く利用されているようです。他にもSORACOM LTE-M Button Plus と磁気センサースイッチを使って、扉が開いたか・閉まったかどうかを学習できるIoT 体験キット(https://soracom.jp/store/5237/)があり、初心者でも気軽にIoT を体験できるそうなので、興味のある方はこの機会に試してみてはいかがでしょうか。

 

私自身、少し前までは、IoT はよくわからないし興味もないし「オッケーGoogle」も「ヘイsiri」も使うことがない、そちら方面に疎い方でしたが、木質ペレット残量検知・異常検知に携わるようになって、IoT って便利じゃん!と体感し、手伝ってもらいながらなんとなくプチ自作もできるようになったので、なんでもやってみることは大事だなと感じています。
個人レベルでの業務効率化ツールやアプリは使用されている方は多いと思います。それと同じように部署レベルでもIoT を取り入れることによって、新たな時間を創出し、他の業務や有休休暇に使用できるので、特に人手不足が深刻な中小企業がIoT をどんどん活用できる仕組みや制度が整っていくことを期待しています。