0067 相愛の新人研修

2017.05.24

カテゴリー: 活動報告

季節は5月、新緑の季節がやってまいりました。

ところで皆さん、4月に「入社式」「入社式挨拶」という検索ワードで相愛の記事がバンバンヒットしているのってご存知ですか?

知らないですよね、失礼をば。

 

そうなんです。3年前に「新年度スタート! 朝礼&入社式」という記事をアップして以来、毎年4月になるとこの検索ワードで、相愛の記事がバンバン見られるようになっているのです。

 

入社式は会社にとっても新人さんにとっても晴れの舞台とも言える大切な儀式。

現代の高度情報化社会において、このような重要なセレモニーにマニュアルなし、徒手空拳で望むとあっては組織の、社会人としての名が廃ると言うことでしょうか、「よそ様の入社式はいかように…」という塩梅で参考事例として検索されているのだと思います。

 

という事を踏まえたわけでは全然ありませんが、今回のお仕事紹介ブログのテーマは「新人研修」。

この4月に入社したピカピカの新人さん4名と、昨年入社したもののまだ研修を受けていなかった4名が受けた弊社相愛・グループ会社のエコデザイン研究所の視察・研修の模様をレポートさせていただきます。

高知市土佐山の山中で、循環型社会の構築を目指し環境最前線の事業を展開する株式会社エコデザイン研究所。

おなじみ!? 取締役・横山貴志さんが、ふぞろいの林檎のような面々を受け入れてくれました。

 

え~、エコデザイン研究所は、我々の社会生活で生まれる様々な有機廃棄物をリサイクルし、野菜や花や木を育てるための肥料を製造する事業を展開する会社。

相愛と同じく循環型社会の構築を目指して、2003年に立ち上がりました。

 

まずは運び込まれた有機廃棄物を保管し、菌をまぜて発酵させている、その名も「発酵棟」の見学。

暗闇の中、黙々と攪拌作業を行うホイールローダー。いつ見ても渋い情景です。

スーパーから賞味期限切れなどで販売できなくなった食品残渣が持ち込まれていました。

ピュアな眼差しで、その一挙手一投足を見つめる面々。

と思ったら何かを発見して大喜びのヒヨっ子ズ。

漁協さんから養殖場で不幸にもお亡くなりになられたお魚さんたちが持ち込まれていました。モコモコしたフォルムの下にご遺体があります。

 

このように、腐敗が心配される有機廃棄物は大量の菌にまぶされてからここまで運ばれてきます。この土のような状態の中、1gに付き10億の菌が生息していると聞き、一同驚愕。

続いて45日間かけて発酵させ完熟肥料となったものを保管する「製造棟」に、足を踏み入れる面々。

右を見ても左を見ても完熟肥料の山。さきほどの発酵棟に比べこちらは匂いもおだやかです。なんせ完熟発酵ですけん!

素手で触れてもばっちくない感じ。「ほ~らさらさらだよ~」。

製品化された肥料「かんとりースーパー」も保管されています。

横山さんを囲んでレクチャーを受ける新人くんちゃんさん。

普段あまり見ることのできない現場の様子に興味津々。

写真左、エコデザイン推進事業部・地理空間情報課配属の山本真弘。

大学では情報システム工学を学び、その後システムエンジニアなどを経てこの4月に入社したバリバリの実践力。趣味は登山他。相愛の循環型社会を目指す姿勢に惚れ込み入社しました。

 

写真右、エコデザイン推進事業部・地域振興課配属の立田充孝。

大学では国際経済を学ばれた駿馬。趣味はテニスと釣り。

相愛では循環型社会システムの高知からの発信を行っていきたいと語ります。

写真左、事業部管理課配属の前中良啓。

国土交通省、民間企業を経て相愛入社の歴戦の猛者。家庭菜園が趣味で写真の腕前はプロ並み。長年携わってきた河川管理や環境保全業務で得た知識・経験を、相愛で活かすために入社されました。

 

写真右、エコデザイン推進事業部・地域振興課配属の松下美希。

大学で造園科学を学ぶ他、環境保全活動に邁進。趣味は登山。

相愛では、身の回りの生物の多様性、物質循環のプロセスがさらに改善される社会の仕組みづくりに取り組みたいと語るハイポテンシャルな山ガールです。

家庭菜園が趣味の前中は肥料に興味津々。さっそくSNSを駆使して情報発信中。

ご紹介した4名の他、初めてエコデザイン研究所の研修を受ける入社2~3年目の面々。一同、熱心に横山さんの話に聞き入りました。

 

さて、現場の視察が終わったあとは、事務所に移動して座学です。

ここでも取締役の横山さんにエコデザイン研究所の立ち上げから現在の運営状況まで、細かくご説明いただきました。

パンフレットを参照しながらの解説。

エコデザイン研究所の事業内容に興味津々の一同。

横山さん

「これまで焼却処理されていた有機廃棄物を農業に有効利用して循環型社会システムを築くことが目的で立ち上がった会社です。

有機廃棄物の収集は創立7~8年目から安定してきました。

その後、地元土佐山の農家の方などに肥料を紹介して周り、定期的に購入いただいている農家さんの数もここ数年で安定、現在は200軒ほどの農家さんにご利用いただいています」。

 

質疑応答の時間では、優秀な新人諸氏から次々と的確な疑問質問が上がりました。

 

質問:年間に持ち込まれる有機廃棄物の量は?

横山:1日30トン、年間1万トンになります。現在フル稼働の状態です。

お中元、お歳暮の時期はぐっと増える傾向にあるので、多い時に照準をあわせて稼働しています。

 

質問:肥料の特徴は?

横山:化学肥料と違って有機肥料なので、「漢方薬のような肥料です」。

と説明しています。化学肥料は栄養ドリンクのようなもので効きは早いですが、作物が成分を吸収する際に余分にエネルギーが使われて、味などが損なわれる傾向にあると聞いたことがあります。

肥料「かんとりースーパー」はじっくりと長く効くので、野菜がおいしくなると評判をいただいています。

かんとりースーパーを発注する新人前中。趣味・家庭菜園。

ここまで聞いたところで、いてもたってもいられなくなり即ご購入!

 

質問:肥料になる率が5~8%とのことですが、少なく思います。

   残りはどこに行っているのですか?

横山:そうですね1万トンの有機廃棄物からできるのが500~800トンです。

残りは、肥料にする際に蒸気となって飛んでいく水分や、有機物が分解されたアンモニアです。

未発酵のものを畑に入れると作物に良くないので、水分を飛ばして完熟肥料にしています。

量より質をモットーに製造しているのです。

 

質問:菌は死滅しないのですか?

横山:弱るときはあります。有機廃棄物の腐敗菌が強いと納品時に腐りかけている場合もあります。このようなケースも、オペレーターが廃棄物に対して菌を追加して混ぜ、腐敗を発酵に持っていきます。

オペレーターも10年以上の経験を積み、技術的スキルもアップしています。

質疑応答も和気あいあい。

 

質問:見学の受け入れは?

横山:創立当初はいろいろな自治体からの見学が多かったですね。

これまで1300名程度の方に見ていただきました。その他、小学校からも視察の希望があり、来ていただいている学校もあります。

最近は毎年出前授業にも出かけて行っています。

未来を担う子どもたちが、大量生産、大量消費の社会ではなく、循環型社会に目を向けるきっかけ作りになると思い、意義を感じて取り組んでいます。

出前授業の様子がメディアにも掲載されました。

 

横山取締役の循環型社会への「想い」のこもった企業説明に、新人諸君も唸りっぱなし、いい新人研修の場が持てたと思います。

横山さん、ありがとうございました。

最後に研修を受けたみんなからの感想を記しておきます。

 

●山本

「大量に処理される有機廃棄物が、次のエネルギーとなり循環するという仕組みに驚きました。私も、相愛で物事をマイナスからプラスに転換する着眼点を身につけていきたいと思います」。

●立田

「1万トンの生ゴミが500~800トンの肥料にしかならないことに驚きました。

また化学肥料と違って徐々に栄養として作物に吸収されていくなど、知らない知識を様々に吸収することができました」。

●前中

「相愛グループの理念をいかした事業展開、その着実な実践活動を理解しました。かんとりースーパーをぜひ定期購入して、野菜をおいしく育てたいと思います」。

●松下

「微生物の力を使ったとても簡単な仕組みで、多量の食品残渣をいかしていることに驚きました。その他、横山さんの人柄、トラクターが倉庫内を忙しなく動いている様子がアメリカンな感じでかっこいいと思いました」。

 

すてきな感想です。横山さん良かったですね。アメリカンですよ。

最後に横山さんからいただいた一言。

 

●横山さん

「私どもは日々、肥料化という一つの分野で向上を目指していますが、相愛の事業、特に皆さんの分野では、幅広い知識やスキルが要求されていくと思います。

同じグループ企業として応援させていただきますので、頑張ってください!」。

皆さんお疲れ様でした!

 

●おまけ

早速、肥料「かんとりースーパー」を購入した前中。

家庭菜園のキャベツに使ってみると…。

植え付け後2ヶ月、5月17日かんとりースーパーを施肥。虫食いもなく生育旺盛。

5月21日なんと結球がこの大きさにまで生育!

「葉の色も濃く、厚く収穫が楽です」前中談。

 

すごいですね!かんとりースーパーのご用命は、エコデザイン研究所まで。

よろしくお願いします~。