0027 平成26年度安全衛生大会開催!

2014.05.30

カテゴリー: 活動報告

5月26日、(株)相愛内で年に1回必ず行っている安全衛生大会を、出席可能な社員全員参加の元、開催いたしました。

 

主催は相愛安全衛生委員会。

普段、安全パトロールなどを通して現場作業の安全確認を行ったり、安全衛生計画を立案し、移動中や事務所内での事故防止に努めている部門です。

業務上の人身事故等を未然に防ぐための取り組みの為、今回はブログも真剣にいきます。

議事進行を務める安全管理者・山下相談役と、副安全管理者・立石技術顧問

社員ほぼフル参加で真剣に討議します。会場は相愛レストホール。

 

立石技術顧問から報告のあった「平成26年度建設業労働災害防止実施計画」の中では、参考資料として、他業種に比べて建設業分野の事故がいかに多いかが報告されました。

業種別死亡事故者数は、全業種で955名の内、建設業が324名と全体の約34%を占めます。

 

高知県内においても、平成25年度の災害発生件数が全業種で913件、内建設業が175件で約19%。

死亡者数では全業種で12名の内、建設業が5名で42%にも上ります。

 

県内の死亡事故については、具体例の報告もあり、少しの不注意が重大な事故につながることを一同肝に銘じました。

また、重大災害とされる一時に3人以上が死傷した事故においては交通事故の割合が高いことから、現場作業だけでなく移動中も十分注意が必要な事を改めて認識しました。

真剣に聞き入ります。

 

議論中心で進めた第一部では、その他今年の安全衛生管理計画が発表され、年間計画、月次の計画、毎日の行動計画を確認。防火管理計画も確認されました。

 

また安全衛生委員会が各現場を実際に回ってチェックした安全パトロールの昨年の状況報告もあり、問題のあった指摘事項に対する改善注意等が行われました。

安全パトロールの様子。

機械ボーリングの安全管理を確認し、チェックシートに記載していきます。

 

第一部最後は、昨年に引き続き本年も業務委託を受けた仁淀川流量観測業務についての諸注意や変更点の説明。

特に全社員に出動命令が出される、高水流量観測業務について、安全確保のための改善提案等が確認されました。

仁淀川高水流量観測業務。台風や大雨の状況下での調査業務は念には念を入れた細心の注意が必要です。

 

さて、今回の安全衛生大会のメインは第二部。

高知市消防局警防課の皆さんから救急救命の講習会を受けました。

リーダーの吉村隊長

「吉村です。このチームで毎日救命講習を行っています。3時間の長丁場ですが、内容に関しては、ガッチガッチの硬いバージョンと、集中力が切れないように途中で笑いを入れる面白いバージョンと2パターン用意しています。

今日も面白バージョンでいいですか? では、時々本気で笑わしにかかりますので、腹を決めて笑ってくださいね」。

つかみはオッケイ! 吉村隊長、さすがの話術で引き込まれます。

 

今回レクチャーいただくのは心肺蘇生法。

過去の救急救命の事例紹介から、実際の蘇生法のやり方まで手取り足取り教えていただきました。

 

前段のお話しで驚いたのが、高知市は人口1万人比の救急車の出動回数が、昨年は東京都、大阪市に次いで3番目の多さだったのだそうです。

 

高知市所有の救急車の数が10台、昨年の出動回数が16500回。

近くの救急車が出払っていることも十分考えられます。

到着までの応急処置の大切さがよく理解できました。

クイズ形式でのレクチャー、参加型なのでより一層理解が深まりました。

 

座学の後は、心肺蘇生法の実地訓練。

まずはお手本を見ていただきます。

傷病者を発見したら、現場の安全性を確認し、まず付近の人に助けを求めます。さらに、119番への通報、近くにAEDがないかの確認をお願いします。

呼吸の有無を確認し、なければ胸骨圧迫を開始。

1分間に100回の速いテンポで、かなりきつく押します。

胸骨圧迫を30回繰り返したら、人工呼吸を2回。

おでこを抑えて鼻をつまみ、顎を上に引き上げることで気道を確保。

胸が膨らんで息が入っていることを確認しつつ行います。

そしてまた、胸骨圧迫30回…と蘇生するまで繰り返します。

 

この処置がなかなかハードで大人の男性でも6セットほどやると息が上がってきます。周りに人がいる場合は、適宜交代し、とにかく、絶え間なく続けることが必要だと教わりました。

相愛スタッフも実地訓練開始!

押して押して、処置のコツを体におぼえこませていきます。

続いて教えていただいたのがAEDの使い方。

パッドを貼る位置は写真の通り、心臓に電流が流れるように。

実際には肌に直接貼ります。

 

AEDの説明でも驚いたのが、これは心臓を動かすための装置ではなく、痙攣している状態の心臓を一旦止めるための装置だということ。

心臓の動きを正常に戻すためには、痙攣状態からは無理なのだそうです。

なので、電気ショックによって一旦心臓を止め、胸骨圧迫により蘇生させていく必要があるのです。

複数人間がいる場合は、一人が絶え間なく胸骨圧迫を行い、一人がAEDを起動させパットを貼っていきます。

 

AEDは起動させると音声案内が流れ続けるので、その指示に従います。

電流を流す時は、もちろん胸骨圧迫を一時停止し、傷病者から離れます。

AED作動!

電気ショックを行った後は、直ちに胸部圧迫を再開します。

30回の圧迫と人工呼吸2回のローテーションは先ほどと変わりません。

相愛スタッフも実地訓練開始!

14台のAEDが一斉にしゃべり出し、ちょっと野戦病院のような光景になりました。

社長も押します!

 

AEDを使った処置で気を付けなければいけないのは、音声案内で「電気ショックの必要はありません」と言った時、先ほど紹介したように、AEDは心臓の痙攣を止める装置なので、健全な状態と同様に心臓が停止した状態でもこのアナウンスが流れます。

一度電気ショックをかけて心臓が停止した場合も同じです。

この場合もまずは呼吸を確認し、蘇生していなければ、ただちに胸骨圧迫を再開します。

 

AEDは救急救命のあくまでも一助であって、重要なのは繰り返し練習した胸圧迫と人工呼吸の絶え間ない処置である事がよく理解できました。

最後に参加スタッフ40名に「普通救命講習Ⅰ」の修了証が配られました。

 

とにかく救急救命には、応急処置がいかに大切かが分かった3時間の講習。

専門の救急隊員や医師に繫ぐためには、傷病者の周りに居合わせた人の処置が救命の可能性を高めます。

 

救急車の出動率が全国3番目に多いこの高知市で、人命を救助するため我々もこの日覚えたノウハウを忘れることなく保持していきたいと思います。

相愛本社にはAEDも備え付けてありますので、ご近所で何かありましたら、すぐさま相愛までご連絡していただければと思います。

 

講座の最後で吉村隊長より投げかけられた言葉が印象的でした。

「一刻も早く現場に到着するよう、僕たちもベストを尽くします。

皆さんも応急処置でベストを尽くしてください」。

 

了解です。相愛スタッフ、ベストを尽くします。

左から吉村隊長、松尾隊員、西川隊員。

ありがとうございました。